帰ってきたぎんちゃん

~脱走猫ぎんちゃんを外飼い猫に~

横になって眠るぎんちゃんのお腹が呼吸で上下するのを、ただ、眺めているのが好きだ。この感覚をどう表現すればいいのだろう。傍らに小さな生き物が息づいていて、この同じ世界を、私とは異なるひとつの意識で受け止めている。そんな当たり前のことを感覚のみで存分に味わう。濃密な時間の中に入って行く・・・。(2018/06/24)


小さなぎんちゃんの戦い

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猫ってふわふわしてるからか、写真だと少し太めに見えるのかな。ぎんちゃんは、実物はやや細身、香箱座りがきれいに丸くならない。(背中が三角になるのであまりかわいくない)


明け方、猫の喧嘩声で目が覚めた。窓から「ぎんちゃん?」と呼びかけると「にゃん」と返事。外に出ると、植木鉢の葉っぱがガサガサと動いている。「ぎんちゃん、いるの?」と言うと姿を現した。
昨日の晩ごはんは少し早めだったので、もうお腹がすいてるだろうな。いつもの場所にスープとカリカリを置くと、辺りを警戒しつつ食べ始めた。

ふと、ぎんちゃんの視点が一点に留まる。その先に、猫。ぎんちゃんが食べるのをやめて凝視しているので、追い払ってきた。暗くてよく見えないけど、最近よく見るしっぽの短いキジトラかな?

私が屋外でぎんちゃんにごはんをあげているのを、一部の猫たちは知っているのかもしれない。なんとかおこぼれに与れないものかとの思惑か。悪いけど、全野良猫に食べさせる餌やりおばちゃんになるつもりは全く無いよ。ぎんちゃんが来なくなったら困るし、そもそもご近所迷惑だからね。

小さい体で縄張りを死守するぎんちゃん。猫の中でもすばしっこい方のように思うけど、小柄で顔が小さく細身の体つきは、人間受けは良くても猫界では分が悪そうだね。もっと太ってみるか、ぎんちゃん。


雨上がり、夜明け前の暗がりの中、いつもよりもぎんちゃんの毛がふんわりしているように見える。雨で濡れた体をきれいに舐めたからだろうか。なるほど自然はよくできている。