帰ってきたぎんちゃん

~脱走猫ぎんちゃんを外飼い猫に~

横になって眠るぎんちゃんのお腹が呼吸で上下するのを、ただ、眺めているのが好きだ。この感覚をどう表現すればいいのだろう。傍らに小さな生き物が息づいていて、この同じ世界を、私とは異なるひとつの意識で受け止めている。そんな当たり前のことを感覚のみで存分に味わう。濃密な時間の中に入って行く・・・。(2018/06/24)


モテ猫りりちゃんの思い出とぎんちゃん

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ガレージ猫ぎんちゃん

今日は物置の上は暑いようで、主に日陰でくつろいでいた。やはりごはんの時間は決まっていて、敷地内にいてもその時間以外は要らないのらしい。ごはんの時は玄関脇のほうにやって来る。時間と言い場所といい、なんでもぎんちゃんのほうで決めてしまうのは、猫だからしょうがないのか、私が合わせるからそうなるのか?


ここのところ何度か、ごく近くで猫が威嚇し合う声を聞く。ぎんちゃんが縄張りを守っているのかとも思ったけれど、彼女はあんまり好戦的じゃないんだよなあ・・・。事実はどうやら、発情期のオス猫2匹がぎんちゃんを巡って牽制し合っている模様。勝った方の猫がぎんちゃんを追いかけるんだけど、ぎんちゃん去勢しちゃってるからね、とっとと逃げちゃう。

私が小学生~中学生の頃に家で飼っていた茶トラのメス猫リリちゃんは、オス同士が取っ組み合いで戦うのを、高い場所からツンと澄まして見下ろしていたっけ。そして、勝負に勝った方のいかついオス猫のほうにすり寄り、2匹でどこかに消えていったものだ。どんなブス猫だろうと関係無い、自然の掟は強さが全てだ。昔は傷だらけでデカ顔で目付きの鋭いドスの利いた野良猫をよく見かけたものだけど、最近は野良猫もそれなりに可愛い顔をしている。去勢済みの外飼い猫や脱走猫ばかりになっているのかな?盛りのついた鳴き声や喧嘩の声もあまり聞かなくなったように思う。

保護先の3匹の親子猫の中からぎんちゃんを選んだのは、顔立ちや体つきがあのリリちゃんに似ていたから。今でこそぎんちゃんも特別な美猫ちゃんということも無いけれど、あの頃は、リリちゃんみたいなべっぴんさんはなかなかいなかったんだよなあ。シマシマの尻尾をピンと立て、一直線上をしゃなりしゃなりと歩く、気品漂う後ろ姿をよく覚えている。