帰ってきたぎんちゃん

~脱走猫ぎんちゃんを外飼い猫に~

横になって眠るぎんちゃんのお腹が呼吸で上下するのを、ただ、眺めているのが好きだ。この感覚をどう表現すればいいのだろう。傍らに小さな生き物が息づいていて、この同じ世界を、私とは異なるひとつの意識で受け止めている。そんな当たり前のことを感覚のみで存分に味わう。濃密な時間の中に入って行く・・・。(2018/06/24)


ぎんちゃん再脱走。。。

ぎんちゃん帰宅の翌朝のこと、換気をしていたちょっとの間に網戸を自分で空けての再脱走・・・・初の室内飼いでの甘さが続いたことに自分を責めましたが・・・・・何の問題もなく外の暮らしを2週間以上も満喫し、少しも痩せることもやつれることも無く、帰宅した晩は「お願いだから出してにゃん。。。」と、切ない声で泣き続けたぎんちゃん。
もう、閉じ込めるのが可愛そうでならず、家の場所もわかっていることなので、姿が見えたらごはんをあげることをずっと続けていくことに決めました。
その後、ほぼ決まった時間に一日3回ほどやって来て、たっぷりと食べて行きます。あまり近づくと逃げてしまいますが、少し離れていればゆっくりとくつろいでいることもあり、この自由な暮らしが気に入っているようで、楽しそうに生き生きとしているぎんちゃんです。

雨降りや暑さ寒さなど、どうしているのかな?生後数ヶ月を野良猫として過ごした猫ですから、あまり心配は要らないのかもしれません。猫は一番暖かい場所、一番涼しい場所を見つけるのが得意です。

今日は雨降り。雨の中、きょうは少し早めの時間にやってきたぎんちゃん、いつも無言ですが、今日は小さい声で「にゃん・・」と挨拶?をしてくれました。玄関先に置いておいたタオルの上で少しの間毛づくろいをしてから、ゆっくりと去っていきました。念の為、入り口を少し開けて入れるように、愛用していた毛布を敷いておきましたが、やはり家の中に立ち入るのは怖いようです。

2階の窓からぎんちゃんの帰って行った方向を眺めていると、隣家の、簡単な屋根のついた物置き場所にある箱の中でまるくなっています。隣家の物置なのでちょっと問題はありますが、見つかって追い払われてしまうまで、こっそりと秘密にしておいてあげましょう・・・。

いいとこ見つけたんだねえ、もしかしたら、雨の日はいつもそこにいたのかな?よかったねえ、やっぱり、心配無用。猫らしい猫ちゃんだ、ぎんちゃんは。賢くて、用心深くて、性質は穏やか、病気や大きな怪我をする確率も低そう。寒い季節になったら我が家の物置に入れるよう、なんとか準備をしておこう。

毎日、ちょっとした時間だけ顔を見られるだけでも、私にとって日々の楽しみになっています。少しづつ、また許してなでなでさせてくれる時が来ることもあるかもしれません。自由を満喫して青春を謳歌してるあの子を捕まえて閉じ込めることは、私にはとてもできません。

行方不明で目撃情報も無く途方に暮れて、もう諦めかけていた時、私は祈っていました。帰りたくないのなら帰らなくていいから、ぎんちゃん、どうか、強く生きて、なんとか食べて、危険からは逃げて、どうか、逞しく、強く・・・・生きろ!生き抜くんだ!ぎんちゃん!

 

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