帰ってきたぎんちゃん

~脱走猫ぎんちゃんを外飼い猫に~

横になって眠るぎんちゃんのお腹が呼吸で上下するのを、ただ、眺めているのが好きだ。この感覚をどう表現すればいいのだろう。傍らに小さな生き物が息づいていて、この同じ世界を、私とは異なるひとつの意識で受け止めている。そんな当たり前のことを感覚のみで存分に味わう。濃密な時間の中に入って行く・・・。(2018/06/24)


お泊りぎんちゃん/ハンターぎんちゃん

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ひとまず、玄関でくつろぎます

降ったり止んだりの雨、出たり入ったりのぎんちゃん。

たいした雨宿りにもならない庇の下がそんなに良いのか。濡れた体を舐めてはまた眠るの繰り返し、疲れるだろうに・・・。他の猫の動きを見渡せる絶好の監視ポイントではあるけど、雨の日に外を歩いている猫はぎんちゃんだけだよ?

日が暮れてくると疲れが溜まってくるのかそれとも諦めるのか、夕方からは私のベッドの上でぐっすりと眠りこけていた。朝までゆっくりするつもりらしく、時々暇そうにしているので猫じゃらしで遊ぶ。野生のぎんちゃんの身体能力は以前にも増して向上していてすぐに捕まってしまうけど、それでも久々によく遊んだな。

朝になると雨が止んでいた。窓から外を眺めるぎんちゃん、ピンと立てた耳。こうなるともう限界だ。ごはんを食べたのを見届けてから階下に降りるとついて来た。玄関を空けてぎんちゃんを見送る。振り返ることなく悠々と去っていくのがやはり猫だなあ。

*****

酷暑の日々、路上に転がって息絶えている蝉を見ることがよくあるけれど・・・玄関脇に蝉が一匹、二匹、三匹、と増えていく?ああ、そうか、ぎんちゃんの貢ぎ物だったのか。弱った蝉の、捕まって散々いたぶられた成れの果て・・・。コオロギから蝉になったのは季節の変化かハント能力の向上か。「ハンター修行中のぎんちゃん、プレゼントありがとね」声をかけつつ回収する。私が求めていたのはこういうコミュニケーションじゃなかったんだけどねもういいけどさ!

昆虫をハントしているうちはまだまだ初心者。りりちゃんやジュリーちゃんはねずみハンターだったよ。時には空飛ぶ雀まで捕まえたよ。半殺し状態の動物を貢がれて泣く泣く処分していた母・・・明日は我が身・・・なんだろうな、きっと・・・。頼んでないけど、それが何よりの愛の証・・・。

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