帰ってきたぎんちゃん

~脱走猫ぎんちゃんを外飼い猫に~

横になって眠るぎんちゃんのお腹が呼吸で上下するのを、ただ、眺めているのが好きだ。この感覚をどう表現すればいいのだろう。傍らに小さな生き物が息づいていて、この同じ世界を、私とは異なるひとつの意識で受け止めている。そんな当たり前のことを感覚のみで存分に味わう。濃密な時間の中に入って行く・・・。(2018/06/24)


ぎんちゃん、飼い猫らしくなっています

1年以上更新なしで、もう誰も読んじゃいないだろうが、

ちょっとしたきっかけでこのブログのことを思い出した。

 

ここに書いたのは、生後約一年のぎんちゃんがうちへやって来てから半年くらいの時期のことだ。

アップされている写真を見ると、まだ子猫っぽい面影があるのに気づく。

今は一回り大きくなって、顔立ちも大人になったように思う。

 

完全室内飼いにするつもりで保護先からもらってきて、

全く人に懐いていない状態からなんとか触れるくらいになったところで脱走させてしまい行方不明、

数週間後になんとか見つけるが、完全に野良猫化。

そこからなんとか放し飼いの飼い猫にまでしようとしていたというわけだ。

 

あれから一年あまり経った今、ぎんちゃんはずいぶんと飼い猫らしくなっている。

家の中でも適当にくつろいでいるし、外で遊んでいても夕方には必ず帰ってくる。

それでもまだまだ警戒心が強くて、私以外の人間には絶対に体を触らせないし、

ちょっと驚かしてしまったりするとしばらくは警戒モードになったりもする。

抱っこできないこともないけど、嫌そうに我慢している様子だし。

こちらが抱こうとする雰囲気を察知すると避けたり隠れようとしたりするので、

残念だけど控えている。

まだまだ、怖がらせないように気を使うところもあるけど、まあなんとかという感じ。

「雨が降っていたり寒かったり眠かったりするのに外に出ても何もメリット無いよな、とりあえず家にいるか」くらいにはなったね。

 

それでもなんだか変な猫だなーってところがある。

 

とかく、我が物顔でにゃーにゃー要求してくることはない。

少し離れてきちんと座り、無言でじっと見つめて、

「あのう~~、わたくし、ごはんが欲しいんですが・・・・(空気読んでくれませんかね・・・)」

「あのう~~、わたくし、外に出たいんですが・・・(空気読んでくれませんかね・・・)」

ってやる。なんなんだよ・・・。

よっぽどだと、小さい声で「にゃあ・・・」となく。

もう我慢できねえ!ってなってはじめて、猫らしくにゃーにゃー始める。

 

キャットタワーを窓辺に移動したら気に入ったらしく、

私のベッドの上よりもそちらでくつろぐようになった。

夜は何度か私の脇に来て、丸くなったりのびのびしたりしている。

たいてい、窓辺が寒いか、なにか食べたいか、外に出たいか、っていうときなんだけど。

 

朝方、トン!と、ぎんちゃんが床に降りる音がする。

こっちはまだ眠っている。

ふと目を開けると、ベッドのすぐ脇で、お座りをして私をじーーーーっと見ている。

(・・・・・これ、猫が好きじゃなかったらかなり怖いと思うよ)

「あのう、早く起きてくれませんかね・・・・お腹が空いたんですが・・・。」←目で訴えるのみ

「・・・・にゃんとかなんとか言えよもーーー!」

 

「どしたの?ごはん?お外行きたい?」

「・・・・・・」←まん丸の目でじーーーーーっ

「ごはんかな~ちょっと待ってよう~~」

「・・・・・・」←目を細めてじーーーっ

「そっか、ごはんなのね~、はいはい」

と起き上がると、

バリバリと爪をといで伸びをしてからお皿の前にちょこんと座る。

こんな猫いるか・・・・???

 

ドアの前に座ってこちらを見つめているときもある。

「ん~お外行きたいの?まだ早いよ~~」と、そのまま眠ろうとする。

少し経ってから目を開けると、さっきよりも若干こちらに近い場所に移動して、やはり見つめている。

「・・・・なんなんだよもー、まだ早いってば」と、ほっておく。

やはり気になってまた目を開けると、すぐ目の前でじーーっ。。。。

もう、”だるまさんがころんだ”じゃないんだから!

こんな猫いるか・・・・・???

 

自分からははっきりと要求せずに他人に気持ちを汲んでもらって思い通りに人を動かそうとする、人間だったらかなりの苦手なタイプだ。関わりたくない。

なのに、相手が猫なら、それはそれでまたかわいい。なんてこったい。

 

そんなわけでまあ、なんとか落ち着いたわけ。

また何かあったらここに書くこともあるかもしれないな。

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子猫のように

ちょっと涼しいなと思ったら、ぎんちゃんお泊り~♪

土砂降りの雨の日じゃないと家でゆっくりしてくれないので、ずっとぎんちゃん不足で寂しかった。ブラシをかけたりなでなでしたりもいいんだけど、なんか、密着感が無くて、猫のいる暮らしの醍醐味に欠けるというか・・・。やっぱふわふわにくっついてなんぼ。

しばらく2階の和室で眠っていたので、一緒に寝てくれないのかと思ったら、部屋の前にちょこんと座って「にゃ~ん・・・」「おいで~」いつものようにベッドをトントンすると飛び乗ってきた。良かった!ぎんちゃんは野生を捨てないけど飼い猫であることも忘れないでくれてる。

私のお腹に顔をぐぐっと埋めてくる。母猫になった気分。

涼しいといっても真夏なので猫とくっついているとけっこー暑いんだけど我慢してしまうわ・・・。顔をくっつけてモフっても嫌がらない、う、うれしい・・・。

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ずっとくっついて、朝までよく眠っていた。寒がりぎんちゃんだな。はやく涼しくならないかなあ。

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 ***

ぎんちゃん、今日(20日)もお泊りしていきました♪もう暑くならないでくれーぃ!!!

→21日まで連泊でした。つまり、涼しい夜だけ。暑さが復活したらまた屋外生活~~。

ぎんちゃんが、付いて来る・・・

ある日のこと、コンビニに行こうと外に出ると、車の下からのそっとぎんちゃんが現れた。「ぎんちゃんそんなところにいたのか~。ちょっとお買い物に行ってくるからね~。」と手を降って門を出た。

少し歩くと、ぎんちゃんが背後からやって来て私を追い抜いた。後になり先になり、小走りに付いて来る。「おお、ぎんちゃん?お見送りしてくれるの?か~わいいなあ~♡」道の真ん中を先行したり、高層マンションの敷地の中を並走して来る。角に差し掛かると草陰に見えなくなった。

買い物を終えて戻ると、再び現れたぎんちゃん。脇を並走、後になり先になり、家まで一緒に。ガレージに入ると座り込み、おもむろに毛づくろいを初めて知らんぷりを気取ってる。こういう猫のツンデレってなんなんだろ?照れて誤魔化しているように見えるけど、それは人間の行動に寄せ過ぎた目線かな。実のところは、一瞬にして気分が切り替わるっていうことなのだろう。猫の辞書には「後ろ髪引かれる」の類の表現は無いんだろうな。一瞬のハンティングに命をかけるネコ科動物にそんな暇は無いってことか。

外出のタイミングにぎんちゃんが庭にいることはあまり無いので、この一度っきりのこと。小走りに私を追い抜く楽しげなぎんちゃんの回りに、「♪♪♪」って感じのマークが散らばっているように見えた。

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